国際青少年連合についての日記

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国際青少年連合IYF 著書 「私を引いて行くあなたは誰か」 Chapter 3 自制心 その4

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国際青少年連合IYFの設立者であるパク・オクス氏の
著書の紹介「私を引いて行くあなたは誰か」

Chapter 3 自制心 その4

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私は内気で根気もなく何でも途中であきらめてしまう場合がほとんどでした。しかし、ウクライナで寒さに耐え、難しい現地の言葉を学び、様々な行事に有名な人を招くという大仕事も成し遂げながら強い人になっていました。もう私に限界はありません。

ウクライナへ Good News Corps 海外ボランティアに行ってきた 
パク・ウンヨン

Good News Corps 海外ボランティアは国際青少年連合IYFの海外ボランティア派遣を担当しています。


大きな金のかたまりを
再び土に埋めた母
中国に母と息子が住んでいました。
とても貧しく息子は山で切った木を市場で売ってなんとか生計をたてていました。貧しい生活の中息子は心を尽くして母に孝行しました。

母は胸を痛めました。『せめて嫁さんが来てくれたらいいのに。お金が少しでもあればいいのに・・・。』と思いました。

 

その日も息子は山に行き、母はほうきで庭をはいていました。この間から庭の大きな石が足にひっかかって気になっていたのですが、手で取り除こうとしてもだめでした。今日は草刈鎌で石の周りを掘りながら取り除こうと掘ったのですが、良く見てみると色が石の色ではありませんでした。

 

何だろうと思って水を汲んできて磨いてみたら、大きな金の塊でした。それを見た瞬間、泥棒をしてばれた人のように胸がドキドキして、急いで元通りに土で覆いました。

 

『うちの庭にこんなに大きな金があったなんて・・・。』その日から母は眠れませんでした。夜、横になると金の塊でできることをあれこれ想像しました。

 

『あの金を砕いて少し売れば家も買えて息子も結婚できる・・・。』そう思うと何日間も寝つけませんでした。母の顔色がすぐれないので息子は心配になりました。


そうして、母は息子には金の塊のことは秘密にして言いませんでした。母は金の塊でできることを考えるだけで胸がいっぱいでした。母はもう少し考えてみました。『金の塊のことを知ったら息子は山に行かなくなるだろう。山に行かずに、村の金持ちの息子たちのように居酒屋に行ったり、賭博をするようになるだろう。』

 

『息子が賭博をしたすべてのお金を失ったら、お金が要るから金の塊をくれと言うに違いない。もし、それをあげなかったら絶対けんかになる。』


深く考えてみると息子が別人になってしまいそうでした。いくらお金があってもそんな生き方は幸せではないと思いました。

 

母は数日悩んだ後に結論を出しました。
『あの金の塊があれば広い家に住み、おいしいものが食べられ良い服が着られるかもしれない。でも息子との仲は壊れ、結局は他人同士のようになってしまう。』

 

母は息子に言いました。
『最近毎晩死ぬ夢をみるの。この家にいたら長生きできないかも知れない。お母さんはもういつ死んでも未練はないけど、一人残るおまえのことを考えるとつらくて死に切れない。だから他の所に引っ越したい。』

 

息子は『そんなことはたやすいことじゃないですか。』と賛成して、その家には二度と戻って来られない遠い所へ引っ越しして、そこで同じように木こりをしながらくらしたそうです。

金はあの家においたままで。


今の人達がこういう話を聞いたら『バカみたい。』と思うでしょう。金の塊も使って仕事も頑張っていぇればいいのに、なぜ金を捨てて引っ越したのかと。しかし、人間はそれがうまくコントロールできないのです。心をうまく治められない人は、たくさん持っていると幸せになるどころか災いをもたらす確率が高いのです。

 

欲がなかったら人間ではありません。誰でもおいしいものが食べたいし、いろいろ習いたいし、いいものがほしいし、素敵な人とけっこんしたいし、いろいろな欲求を持っています。

 

しかし、その欲だけでは不完全なのです。欲より強い自制心を持ち、必要な時その欲にブレーキをかけられなければなりません。実際に、アメリカで宝くじに当たって一夜にして億万長者になった人のほとんどが、以前より不幸になったそうです。

 

思考力と
自制心を育てなければならない
人間は考えなくてはなりません。深く考えて自分を信じる愚かさから抜け出さなければなりません。車にエンジンが重要であると共にブレーキも必ず要るように、やりたいことを我慢してやりたくないこともやってみるなど、小さい頃から心を治める訓練をしなければなりません。

 

子供の時からもう一度考え直すことと我慢することを学んでいかば、将来どんなこともやってもその分野で立派な人になれます。自分をコントロールする力がないと常に問題がおきます。エンジンとブレーキの性能が両方とも優れていて車のスピードが出せるように、私たちの人生も同じです。

 

若者たちの心にはやりたいことが数えきれないほどたくさんあり、それらに向かって走っていける力もあります。一生懸命勉強して、研究して、練習して・・・。そういう姿を見ると本当に微笑ましいです。

しかしぜひ覚えておいて欲しいことが、それと同時に自分をコントロールする力も育てなければならないということです。

 

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